|
第１章 航空運賃値上げとマイレッジサービスの関係 |
１−１．東京←→女満別間ので見たローカル線航空運賃の変遷-
私は北海道の北見出身で、現在都内に在住して１４年になる。2001年１月まで毎年盆暮れには
帰省のため東京・女満別間を欠かさず往復している。その間、航空運賃は何度か改定されて来た。
その変遷を日々是決算帳から追ってみよう。
| 年次 |
金額 |
備考 |
| 1987 | \65520(往復) | |
| 1988 | \35300 | |
| 1989 | \63720(往復)/\33050 | |
| 1990 | \30850 | 値下げ／往復割引廃止 |
| 1991 | \30800 | |
| 1992 | \70000(往復) | なぜ割高になっているのかは不明 |
| 1993 | \30850 | |
| 1994 | \30850 | |
| 1995 | \30850 | |
| 1996 | \30850/\30200 | |
| 1997 | \30200/\30650 | |
| 1998 | \30650 | |
| 1999 | \30750 | |
| 2000 | \30850/\37000 |
前年末にマイル１．５倍キャンペーン
夏季より繁忙期２０％値上げ |
| 2001 | \37000 | |
- 東京・女満別間は、ＪＡＳが通常A300を３便、ＡＮＡが１便運行しており、
実質的にＪＡＳの独占路線と言える。
運賃は、1990年に１５％程度値下げされ、その後９０年代後半に各社マイレッジサービスを
導入した。運賃は2000年春までは多少の変動がありながらも、同じ水準を保ったが、2000年
夏季より繁忙期２０％の大幅値上げが実施された。
|
１−２．値上げに連動したマイル１．５倍キャンペーン-
1999年末にマイル１．５倍キャンペーンが実施された折り、何とか7000マイルまで溜まってい
たため、始めて無料航空券を入手することが出来た。ただし、無料航空券は繁忙期には使えない
ため、片道だけの入手となり、結果的に割高なものになってしまった。残った片道を適当に予約
しておいて金権ショップで売るという手もあったが、ローカル路線のため買い叩かれる事が予想
されたため、敢えてそこまではしなかった。
マイレッジサービスが導入された1996年頃より、繁忙期運賃と称する別運賃を設定するように
なったが、実際にそれが割増し運賃となったのは、１．５倍キャンペーンの翌年の夏であり、
全てが順次計画的に行われた事がよく判る。
|
|
第２章 遂に来た！マイル失効通知 |
|
このところ、ボーナスマイルも付かず、予想はしていた事だが、１万マイルに届かずして
マイルの失効通知が来た。１万マイルで往復航空券６万円相当とすると、
１７３２マイルは何と 10,392円が消える事になる。
ふざけんじゃねー！
ちなみに、2001年の夏は帰省しなかったので、マイルの加算はなし。
いつも通り帰省で使っていたとしても、１２２０マイルの追加に過ぎないので、
失効は避けられない。
|
|
|
第３章 マイレッジサービスの落とし穴 |
３−１．標準的な利用客を切り捨てる有効期限の設定-
東京・女満別間片道で加算されるマイルは６１０マイルである。普通でさえ２割以上割高な
ローカル線を利用して、幹線と同じマイルしか加算されないのは、腹立たしい限りだ。
同じ路線の無料航空券（往復）を手に入れるには、１万マイルまで貯めなければならない。
年２回の往復で１万マイル貯めようと思ったら、４年半かかる計算になる。マイルの有効期間は
最大４年（３年後の年末に順次失効）であり、普通に溜めると古い方から順次失効して１度も使
えずに終わる計算になる。用途が帰省という一般的な旅行で見ると、帰省回数が年１回に減る事
はあっても、３回に増える事はまず無いと見ていいだろう。完全に客の足元を見た有効期限設定
になっている。
９０年代のうちは、ボーナスマイルと称して２倍のマイルが加算される事があったが、それでも
３年で１万マイルには到底及ばす、１．５倍キャンペーンが無かったら、１銭の価値も無いカード
になっていたところだ。
マイルは標準的な利用客には
使える所まで溜まらないのだ。
客を馬鹿にしているとしか思えない。
|
|
|
３−２．マイルは本当に得か-
マイルが無効にならずに全て使えたとして、2000年の繁忙期値上げ前よりもはたして得なのだろ
うか。値上げ率が２０％であるのに対して、無料往復航空券を入手するまでにかかる往復回数は
・・・・
10000/(610*2)=8.2
である。この間に支払った割り増し料金で往復できる回数は・・・・
0.2*8.2=1.64
であるから、無料往復航空券を入手する毎に差し引き0.64往復分だけ多く支払う計算になる。
つまり、お客はマイレッジを使っていてもなお大幅に損をしている
計算になる。実際には９往復に１回となるので、損分は0.8往復分に相当する。
ただし、これはあくまで繁忙期に無料往復航空券が使えるという仮定での話であるため、繁忙期
以外には利用しないお客にとってはそもそも意味のない検証である。繁忙期に値上げされただけ
客は馬鹿を見たという事だ。
|
３−３．使いたい時期に使えない無料航空券-
マイルで引き換えた無料航空券は、繁忙期には使えない。この事は何を意味するかと言うと、
折角苦労してマイルを貯めても、一番使いたい時に使えないという事である。
繁忙期は、2000年１月期では12/23〜1/10となっていた。サラリーマンが12/23以前に帰省旅行
するのはまず無理な話だ。年初は場合によっては１〜２日の追加休暇を取れば繁忙期を外す事も
不可能ではないが、行き帰りを外す事は不可能だ。年末の繁忙期の始まりが、実際に帰省ラッ
シュが始まる約１週間前に設定されているため、帰省ラッシュをまたいで利用する事すら意図的
に阻止している。結局、使えても片道分という事になり、半分捨てる事になる。
ふざけるな！
|
|
第４章 悔い改めよ |
こんなんじゃ納得できない。誠意があるなら見せて貰おうか。
そこで、私なりに考えた案を書かせて貰う事にした。
Ｃａｓｅ １-
- 有効期間：そのまま
- 引き換えマイル：往復５０００マイル
- 繁忙期制限：なし（ただし、往復６０００マイル）
Ｃａｓｅ ２-
- 有効期間：そのまま
- 引き換えマイル：往復５０００マイル、または片道２５００マイル
- 繁忙期制限：あり
これくらいやって戴かないと、納得できないな。面倒なボーナスマイルなんか要らない。
|
|
第５章 あとがき |
こんなカードは、１％しか還元されないポイントカードにも劣る。
持っていても煩わしだけなので、ＪＡＳ社長宛に送り返す事にした。
繁忙期に割り増し運賃になるのを非難する気はない。市場原理として、それはあってしかるべき
だと思う。しかし、客を馬鹿にしたような特典の利用制限は、もはや我慢ならぬ。それらを糾弾
すべく、このページを作る事にした。
帰省という目的である以上、私は今後も年に２回を越えて飛行機を利用する事はない。
本拠地を北海道に戻した場合は、毎月のように利用する事になるかも知れないが、その時までに
はこの理不尽なシステムが良い方へ修正されている事を祈ろう。(2001/09/02作成)
|
